江戸時代の紀行家 菅江真澄は おがらのたき(紀行文)で美しい風景を絵と文で綴っている。
数日前の朝『手這坂』に立ち寄った。
その手這坂を真澄はこんな風にしるしている。
<まず岩子村というところの梨の花が山風で雪が降るように咲き乱れていた。
そこから大久保岱というところに入って、その村長さんのところでいろいろ話しながら
一休みした。
・・・・・・・・そして桃の花が今盛りと聞き少し行くと手這坂というところに着いた。>
残念ながら桃の花はあと一歩というところだったが、まっ白い梨の花が印象的だった。
入口付近には木いちごの白い花
真澄が『家が4、5軒、川岸の桃の花園にかくれてあった。』と記しているように
少し痛々しいかやぶきの家が姿を現した。
そういえば三月はじめの幻想的な
あの風景を思い出していた。
雪深いところゆえ、想像していた一面の菜の花もまだ固いつぼみだった。
少しだけ色づき始めた源平枝垂れ桃の木
でも新緑は素晴らしかった。様々な緑に魅了された。
新緑の間からひっそりと住む人のいない茅葺き民家が見えた。
真澄は素敵な歌を詠んでいる。
『ここに誰れ 世々さく桃にかくろひて おくゆかしげに栖(すめ)るひと村』
ここを訪れた真澄は夕暮れにある家で水をもらおうとしたら 濁り酒をすすめられたと
しるしている。(さすが酒の国)
そしてその日はまた大久保岱まで引き返し泊まったらしい。
茅葺の家々の奥のほうに行くと川の流れが聞こえてくる。
その近くには先祖が眠るお墓があり、大きな木がそのお墓を守っている。
その木もひときわ鮮やかな新緑だった。
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山菜料理が続きます
孟宗筍と野生の三つ葉の卵とじ
ウドのきんぴら(香りがよくて最高です!)