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田沼武能氏
我が家の本棚にある『木村伊兵衛写真集』第四巻 [秋田民俗]
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実家の父も持っていた写真集、私が生まれる少し前から幼いころの秋田が
写し出されている。
この本の編集委員でもある写真家の田沼武能氏の講演会があると聞いて
前から楽しみにしていた。
今日の午後会場の文化会館へ出かけた。
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田沼さんは1929年生まれとは思えないほど若々しく時折ユーモアも
交えながら 師 木村伊兵衛との懐かしい日々を話してくださった。
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木村伊兵衛が撮った秋田の写真のコマ数は一万一千にも及んだ。
秋田の岩田写真館の前店主 故岩田幸助氏と大野源二郎氏が
撮影に随行し、案内役、それにたぶん通訳(秋田弁の)も務めている。
このような写真を残してくれたおかげで今の私たちや未来の人々が当時のことを
知ることができる。
これほどリラックスした表情を引き出して写真を撮ることのできる木村は不思議な魅力をもつ
男であったと回想していた。
木村伊兵衛は1952年から1971年まで21回も秋田を訪れていた。
田沼さんは木村伊兵衛の写真を「狙っているものがはっきりしている」と話した。
ここだというシーンを逃さずにさらっと撮っておしまいにする写真家 とも話した。
講演の後、「木村伊兵衛が生きていたら、今のデジカメのことをどう思うだろう」と質問した男性がいた。
田沼さんは「デジカメなんてとんでもないと怒っていると思う!憤死しているかもしれない。」と答えた。
会場からどっと笑いがおこった。
貴重なお話をたくさん聴くことができた。

講演後 4時近かったがいいお天気だったせいか外はまだ明るかった。
気温は低く歩道には氷が張ってツルツルになっていた。
でも足元に注意しながら駅まで歩くことにした。
 官庁街通り 東の方に白く薄い月が出ていた。 
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木と月ってなんとなくいいなあ~と思いコンデジのシャッターを押す。
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田沼先生は「感動が大事!」とおっしゃっていた。
すっきりと枝を伸ばす冬の木の上に出ていた月を何枚も撮りながら歩いた。
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by harunoyokihi06 | 2010-12-19 23:32 | ひと


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